地下足袋もかなりの数を試してみましたが、個人的に量産型の中で最高に優れていると思っているのが、きねやさんの無敵地下足袋。
それを販売しているきねや足袋株式会社は、「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」こと埼玉県行田市にある、池井戸潤さんの小説「陸王」のモデルになったとかなってないとかいわれている会社です。
そんな会社の作る無敵地下足袋の何が優れているのか、を紹介しようと思います。
無敵地下足袋の特徴
特筆すべき点なのですが、商品の袋にも記載されているように、総二重縫(手縫い)の点だと思います。
ただし総二重と記載されておりますが、ソール(底面)がそうであって、他のところまではそうではないと思います。見た感じでは底やかぶせ以外は通常縫いのようです。日本語として総とはすべてという意味合いもあるため、表記としてどうかなと思う部分ではあります。※決してクレーマーではございません。
手縫いにより丁寧にゴム底が二重に縫い付けられていることにより、安い足袋にみられる底糸が切れゴム底が外れるといった事が起きにくい丈夫な作りになっています。ソールにもこだわりが随所に見られ、親指の先端から土踏まずまでは薄く、かかと部分は厚底になっています。履いてみた個人的な感想ですが、ペタンコソールより疲れや衝撃吸収性に優れ、かかとのみ厚底にすることで、重量増を抑えながら歩きやすく疲れにくい構造のような気がします。
また、かぶせと呼ばれる部分も三日月かぶせや蝶かぶせなどがあり、好みによって選択することが可能です。個人的には三日月かぶせがカッコいいと思っています。ちなみに国産地下足袋の老舗である種田の足袋はかぶせ部分が大きいです。画像左から:無敵地下足袋 種田の足袋
ただしタイトルの量産手縫いとあるように、使用している生地等資材は全て日本製だそうですが、製造国はベトナムなので国産ではないのです。技術指導はおこなっているそうですが、購入した商品には若干のほつれがありましたが使用に問題はありませんでした。昔ながらの袋売りで、裏面にはその旨が記載されています。
サイズ感は細めのつくりになっておりますので、通常サイズより0.5~1センチは大きめを選ぶほうが良いのではないかと思います。僕自身は1cm大き目を購入しております。
また、藍染なので色落ちしますので、洗濯にはご注意下さい。
まとめ
こだわりのない職人にはホームセンターに置いていないので、なじみのない足袋メーカーだとは思いますが、海外生産している地下足袋の中では非常によくできている製品だと思います。
みためもカッコ良く、ゴム底も非常に柔らかく疲れにくく、それでいて丈夫な足袋ですから、「いつもマルゴか力王」という職人には一度は履いていただきたい足袋、それが量産でありながら随所に手の込んだ作りの、きねや無敵地下足袋です。
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