梅雨前(4月から5月)から梅雨明け(7月から9月)の年2回によく発生する、サザンカやツバキなどのツバキ科の葉っぱが大好物な毒蛾のチャドクガ。チャドク(茶毒)と呼ばれるのはチャノキ(ツバキ科)によくつくことからといわれていますが、もちろん他のツバキ科にも発生する害虫です。
こいつがいかにやっかいな害虫かというと、以下にあげる2つの点です。
- 葉を食べてつくして丸坊主にしてしまう
- 人体に影響のある毒をもっている
1.の食害によって、お庭の景観を悪くしてしまうところ。葉っぱが無くなり、毛虫だらけの枝から糸を吹いてぶら下がるチャドクガたちの巣窟・・・もうゾクゾクしますね。
植木屋としては2.の方が正直キツいです。チャドクガの毒毛に触れると強烈な痒み・湿疹を引き起こします。皮膚にふれると、尋常じゃないくらいかゆくなり、かきむしるとその毒毛によって他の部位まで湿疹が広がります。とにかくかかない事が大事です。
では、そうならないための防除方法を順に説明していきます。
剪定して風や日当たりをよくする方法
毛虫は日の当たりにくい外部の影響をうけにくい環境を好みますので、風通りや日をまんべんなくあたるように剪定することで、予防することができます。サザンカなどは刈り込みが多いですが、上記の理由から可能であれば透かし剪定を行うことで一定の効果は期待できます。
孵ってしまった毛虫を見つけたら
剪定する際には卵が無いかをチェックすると良いでしょう。チャドクガは一箇所にまとまって葉を食べ移動を集団で繰り返し行っていることから、卵もまとまって見つけることができます。大量の卵を植えつけられた葉・大きく集団でまとまっている葉(もしくは枝ごと)切り落としてください。そうすることで、剪定と同時に駆除することもできます。
枝や葉を切る際にも風上から揺らさないようなるべく遠くから切る事が重要です。風によって運ばれてくる毛に触れてもダメですから覚えておきましょう。
最後に、切り取った枝や葉などは触れないようにビニル袋などで封をしっかりして処分するか、可能であれば燃やすなどの対応をして下さい。
薬剤散布で駆除する
もっとも簡単な方法は薬剤散布です。切るのも触れるのも嫌、という方はこの方法が一番無難です。一般的に使用する薬剤はスミチオン、オルトラン。それらをローテーション散布(害虫の対抗性、薬への耐性がつくのを防ぐ目的で行う)することで、より効果が期待できます。
まとめ
ツバキやサザンカは人気の園芸種のため、様々なお庭でお見かけしますが、同時にチャドクガの心配が尽きません。まずは、発生させないために剪定で予防し、被害を最小限に抑えるために薬剤散布で予防殺虫すること。
健やかなお庭の樹木を維持するためには、よく観察して異常があれば防除していくことを心がけましょう。
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