山形打刃物の中でも剪定鋏は非常に有名で、今でも多くの鋏鍛治屋さんが活躍されています。
「和風総本家」で取り上げられて以降は、山形の剪定鋏といえば飛庄のようになってしましましたが、年配の植木屋さんや金物屋さんはコチラの方がしっくりくるらしい。
そんな昔から有名な野村屋製鋏所さんの村久(むらきゅう)ですが、ホームセンターなどでみかけることはありませんが、園芸用品を置いている金物屋さんやネットで購入可能です。今回はこの鋏の現行品のレビューです。
村久 剪定鋏 A型(200mm)の特徴
村久といえばA型ですが、昔のモノはスウェーデン鋼かつ更に古いものはロウ付けであったことで知られています。
現行品では全鋼の為、ずっしりと重みがあります。重量は多少誤差はあるでしょうが、約271gもありました。【参考:岡恒 200mm 約230g】
ロウ付けの鋏の特徴でもある軽さはありませんが、特筆すべきは刃の厚さと開きが大きいことです。
下の画像は切り刃と受け刃を量ってみましたが、切り刃は3.8mm程、受け刃は5mm程度とかなり差があります。厚みがあるぶん細かい作業には不向きでしょうが、そこは植木鋏と使い分けするので問題はありません。
また、刃の開きが大きい(開く角度が大きい)ので、滑らかに刃の根元まで太い枝を入れ切ることができます。
まとめ
歳を重ねるごとに、軽さに重点を置く傾向になりつつある植木屋の僕は、昔のロウ付け180mm(これはむちゃくちゃ軽い)を使っていますが、現行品は重厚かつ強靭な印象が強いですね。
飛塚製鋏所さんの飛庄も良い鋏ですが、野村屋製鋏所さんの村久(むらきゅう)は非常に良い剪定鋏だと思いますので、手打ちの鋏をお探しなら買って損なしの山形打ち刃物です。
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